まず始めに財政管理はどんなものかを説明します。
財政管理は行財政改革や公務員改革などを含む広い範囲でいうと公共部門全体の改革を取り扱うものです。
財政管理の基本的な考え方は公共部門への明確な管理手法を導入して制度の構築を行うことで公共資源の分配の効
率性と事務事業の能率性の向上を図るとともに手続きを遵守することを通じ結果が保証されるとする適正手続の考え方
を越えてその結果と成果の重視を目指すものをいいます。
先進国のニュー・パブリック・マネジメント理論を踏まえた行財政改革の深化の後に財政管理への改革が途上国で本格
的に開始されたのは1990年代の半ば以降といわれている。
発展途上国のイニシアティブによる導入を踏まえて援助国がそれを支援したときと援助国が導入・支援を一貫して行った
場合があげられるが、援助国が財政管理を支援した背景は共通しているそうです。
それはファンジビリティという概念が認識されて公共部門の資金全体を見渡す必要性が出てきたことと途上国における政
府の役割が再認識され民営化が困難あるいは不適切とされる公的部門のコアの部分の効率化の必要性が出てきたこと。
そしてプロジェクトの内貨予算不足、経常経費不足など、事業実施上の問題点から途上国の公的部門の資金管理を見る
必要性が高まったことがあげられる。またこれらと並行して新しい援助モダリティの導入に関しても議論が進みつつあり近
年従来のプロジェクト型援助からプログラム型援助の重要性が強調されるようになった。現在の途上国支援の方向性は大
きく変わりつつある。
ここ最近、政府・援助機関・その他関係者達の間で貧困削減の重要な鍵として財政管理への関心が高まっているそうです。
多くの発展途上国が独立した30年前を基準に、当時は国民1人当たりのGDPと成長率がほぼ同程度であった国を現時点
で比較しますと人口に占める貧困層の割合に大きく差が生じている場合があります。この相違は政府が資源の貧困層に
対する支援活動に配分することができたかもしくは基礎社会サービスなどの公共サービスを貧困層に有効に提供できたか
等を反映していると考えられます。そしてこうしたことを背景に資源を配分だけでなく財政管理・公共サービス提供のための
政策・制度的枠組等が同様に重要であることが理解されるようになってきた。欧米等の援助機関からの見解では財政管理
への関心の高まりは援助プロジェクトによる伝統的な飛び地アプローチへの失望と表現されている。
このアプローチは短期的な視点から見て失敗が頻発する一方長期に渡る制度の開発に一貫して悪いを影響を与えてきた
という議論は結構多い。
また短期の視点からは開発の結果を成功と見なすことができる場合でもファンジビリティと資源移転という視点から見ると海
外からのプロジェクトが発展途上国の政府資源を開発関連部門から非開発部門に移転させる役割を果たしている場合がある。
この援助がファンジブルなものである限りそして公共行政とサービス供給の為の環境が整わない限り特定援助の成果にのみ
関心を持ってもそれが同時に他の部門に影響を与えているとゆうことは間違いないそうです。
1980年代頃にNPMと呼ばれる行政管理手法が先進国を中心に始まりました。
NPMとは公共選択論やエージェンシー理論の影響を受けて公共部門においても企業経営的な手法を導入することでより効率
的で質の高い行政サービスの提供を目指すという行政運営の考え方であり財政管理の考え方と極めて近いとされています。
その原理は徹底した成果のある政策を提供した結果としてその政策の受益者である国民にもたらしたことを指しその結果は援
助プロジェクトやプログラム等の施策を実施して直接的に得られたものをさします。
この場合の結果と成果の関係は具体的には以下のようになります。警察が行う飲酒運転検査の結果は法定アルコール限度を
超過したドライバーの検挙数であって飲酒運転検査の成果は飲酒運転者の減少に伴う道路交通の安全と一般ドライバー・歩行
者の保護の向上になります。しかし成果は最終的な政策目標としての成果と結果の間に中間的な成果がある。上記の内容では
飲酒運転者の減少が中間的な成果となります。またその結果は活動によって直接の因果関係を持って生み出された結果である
が成果の場合その達成に影響を及ぼす要因は常に複数である。
上記の事例では飲酒運転による事故の悲惨さを訴えるテレビコマーシャルが同時に行われていればそれも飲酒運転者の減少の
要因であるかもしれない。したがって成果達成の責任は常に複数の活動に帰することになります。
これを政策レベルで述べた場合ある成果に関して複数の省庁が関係することも考えられそのとき政府全体の資金配分の結果が
成果に影響していることになる。その場合の成果の責任は政府に帰することになる。